【救急の日】「熱性けいれん」って知っていますか?救急車は呼んでもいいの?
本日、9月9日は「救急の日」です。千葉県では今日を含む1週間を「救急医療週間」に定めています。救急医療や救急業務に対する正しい認識を深め、子どもに「もしも」のことがあった時にでも、あせらず行動できるように知識を得ておきましょう。
今回は、日本の赤ちゃんや子どもの約8%に起きると言われている「熱性けいれん」についてご紹介します。熱性けいれんが起きた時の症状、対処方法や、注意すべきポイント、そして救急車を呼ぶ判断基準などをご紹介します。
熱性けいれんの原因や症状を知ろう
「ついさっきまで元気いっぱい遊んでいたし、スヤスヤ眠っていたのに…。」
熱性けいれんの症状は、突然あらわれます。急に我が子が「けいれん」する姿を見て、冷静でいられる人は、まずいないでしょう。子どもに何が起こっているのかと、パニックになってしまい、大声を出して名前を呼び続け、揺さぶってどうにか意識を戻そうとするもの。実際に筆者の子どもが初めて発症した時は、この行動を一通りやりました。でも、これらの行動はNGなのです。
知識も何もない状態では、親がパニックを起こしてしまい、適切な対処が取れません。「こういうことが起こるかも」という意識と、正しい知識を持っておくことが、スムーズな対処に繋がります。
熱性けいれんはなぜ起きるの?
熱性けいれんが起こりやすいのは、生後6ヵ月から6歳までの乳幼児だと言われています。
突発性発疹や風邪、またはインフルエンザなどが原因で熱が上昇する時に、けいれんが起きると言われています。子どもの身体はまだ発達段階であるため、脳内の活動をコントロールできずに起こるようです。
また、「遺伝」が関係している場合も多く、両親のどちらかが発症の経験がある子どもは、発症のリスクが高くなります。
熱性けいれんは、どういう症状になるの?
特に具合の悪そうな様子が見られなかったのに、突然始まる「けいれん」が、熱性けいれんの症状です。以下の症状が多く見られます。
- 身体全体を突っ張っている
- 目は白目、もしくは焦点が合っていない
- うめき声を出す
- 唇が紫色になる
- 口から泡をふく
- 38度以上の発熱
このような症状がみられた時は「熱性けいれんかもしれない」と考え、まずは必要な処置を行いましょう。
熱性けいれんが起きたら、まずどうすればいい?
「熱性けいれんかもしれない!」そう思ったら、いくつかの確認すべきポイントがあります。
順を追ってご紹介しますので、一つずつ覚えていきましょう。
対処方法
- まずは親が冷静になりましょう。パニックのままでは、適切な処置を行うことができません。
- 揺らしたり、何度も声をかけたりせずに、横向きに寝かせましょう。嘔吐した時に、気道を塞がないためです。
- けいれんが始まってからの時間を測りましょう。
- けいれんが5分以上続く場合は「救急車」を呼びましょう。また、一度治っても再度けいれんを繰り返す場合や、けいれんが治っても意識が戻らない・顔色が戻らない場合も「救急車」を呼びましょう。
- 5分以内にけいれんが治り、意識がはっきりとした場合(呼びかけに応える)は、できるだけ早めにかかりつけ医を受診しましょう。
やってはいけないこと
- 舌を噛まないようにと口にものを入れる
- 水を飲ませようとする
- 意識がないからと、人工呼吸をする
これらのことを行うと、窒息してしまう可能性があります。絶対にやめましょう。
確認しておくポイント
- 身体のけいれんは左右対称で起きていたか、どちらか片方のみで起きていたか
- けいれんの時間は何分続いていたか
病院で診察を受ける際、もしくは救急車の中で質問される事項です。けいれん時の様子で熱性ではない、他の病気の可能性に気がつくこともできます。
また、両親にけいれんの経験があるかという事も聞かれます。
熱性けいれんは命に関わる可能性は低い。まずは医師の指示に従うことが重要。
子どもがけいれんする様子を見たら、「命の危険」を感じるほど、親にとってはショックが強いものです。しかし、熱性けいれんは比較的多くの子どもにみられるものであり、一度発症したけれど、それっきりだったという子が多いようです。しかし、中には発熱の度に何度も繰り返す子どももいます。そのような場合はどうすれば良いのでしょうか。
けいれんを予防する座薬を常備すれば安心
けいれんを繰り返す子どもは、一度発熱するとあっという間に熱が上昇する傾向にあるようです。不安になる人は多いでしょうが、けいれんを予防する座薬を常備することで、防ぐことが可能なのです。
けいれん後の受診時に、医師から今後の対処方法の指示を受けることができます。指示をよく守り、しっかりコントロールしてあげましょう。
命の危険はないの?後遺症は残らない?
熱が原因による、いわゆる「通常の熱性けいれん」の場合、命の危険や、知能低下などの後遺症が残ることは、ほとんどないと言われています。しかし、だからといってけいれん後に受診せず放置してしまうと、実は別の病気が原因だった、ということも考えられます。自分で判断せずに、必ずかかりつけ医の判断を仰ぎましょう。
正しく知れば少しは冷静になれる。発症後は、家族や保育園・幼稚園とも情報を共有しよう。
筆者の子どもは生後11ヵ月の時に発症し、それ以降、発熱の度に繰り返すようになりました。6歳で治ると言われていたのですが、結局10歳まで続いたのです。何度経験しても慣れることのないけいれん時の怖さ、何歳になっても治らない不安などもありましたが、かかりつけ医の先生に励まされ、心強かったものです。
印西市内の小児科一覧はこちらから確認できます。もしもの時のために、ご近所のかかりつけ医を見つけておきましょう。
子どもはいつ熱性けいれんを起こすかわかりません。おじいちゃん、おばあちゃんを含めた家族とも情報を共有しておくと安心ですね。また、発症後は再度繰り返す可能性もあるので、保育園・幼稚園にも報告しておきましょう。
writer:スカーレット
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